道徳
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あらゆる美徳は自己放棄によって完成される。果実の極度の美味は、萌芽を求めていることからである。
ジイド 「新しき糧」
くもりなき一つの月をもちながら浮世の雲に迷ひぬるかな
一休 「歌」
すべての享楽を抹殺するものを讃美し、享楽を増大するものを非難し、窮乏をよしとし、自己放棄を徳とする。
ベンサム 「法の原理」
ひとりの徳行ある者には九千九百の美徳のパトロンがある。
ソロー 「市民反抗の義務」
やさしく寛大な心もて汝らの怒りに打ち勝て、謙譲もて憎心を抑えよ。一路の真実もて、曲れる欺瞞を押しとめよ。心なごやかなる満足もて、貧欲を打ち消せ。
「ダサニヴァヤリャストラ」
われわれの善徳は、たいていわれわれの罪の私生児である。
ヘッベル 「日記」
われわれの徳行は、往々にして偽装した不徳にすぎない。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれは嘘の看板を掲げて名誉をえようとする。徳はただそれ自体のためにのみ追求せられることを欲している。それで、たまたま人間が他の動機から徳の仮面を冠っても、徳はやがてわれわれの面上からそれをはぎとる。
モンテーニュ 「随想録」
フランクリンの道徳律はすべて功利的な傾向を持っている。正直は信用を産むから有益である。時間の正確さ、勤勉、質素も同じである。
ヴェーバー 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」
一つの悪徳を好む者はすべての悪徳を好む者である。
ゲレルト 「寓話」
一切の法はみなわが心より造りなすものなり…地獄も畜生もわが心の内の苦なり。
慈雲 「法語」
一利を興すは一害を除くに若かず。一事を生ずるは一事を減ずるに若かず。
「十八史略」
不徳がわれわれのもとを立ち去ると、われわれは自分のほうから不徳を棄てたと信じて得意になっている。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
不道徳行為を望むのは、大きな誤謬の永続を望むことである。
ショウペンハウエル 「意志と表象としての世界」
人々は美徳の点ではそんなに差異はなく、悪徳の点でのみ差異がある。
ハバード 「千と一の格言」
人の行ふべきかぎりを行ふが人の道にしてそのことの成ると成らざるとは人の力に及ぼざるところぞ。
本居宣長 「断片」
人もし汝の右の頬をうたば、左をも向けよ。
イエス 「新約聖書-マタイ伝五章三八節」
人格とは、高きものと、まったく低きものとが一つになったものである。…人格の高さとは、この矛盾を持ち耐えることである。
ヘーゲル 「法の哲学」
人能く道を弘む。道、人を弘むるにあらず。
孔子 「論語」
人見て善しとすれども、神見て善からずといふ事をなさず。
熊沢蕃山 「集義和書」
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