恋人

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世間の恋人たちを見るがいい。やっと告白が始まるときにはもう欺いている。

リルケ 「マルテの手記」


女は「恋人」を恋するが、次からは、すべて恋を恋する。

バイロン 「愛の幻滅」


恋とは、いわば深い溜息とともに立ち昇る煙、きよめられては、恋人のひとみに閃く火ともなれば、乱されては、恋人の涙に溢れる大海ともなる。それだけのもので、大変分別くさい狂気、息の根もとまる苦汁かと思えば、生命を養う甘露でもある。

シェイクスピア 「ロミオとジュリエット-一幕一場」


恋人はミルク、花嫁はバター、妻はチーズ。

ベルネ 「断片と警句」


恋人は火のごときものなり。動揺すればするほど燃ゆる。

シルス 「蔵言」


恋人同士の唇の触れ合う魂の接触。

シリ 「断片」


恋人同士の喧嘩は恋の更新なり。

テレンティウス 「アンドリア」


男は年をとると与えるものがなくなり、ただ受けとるばかりだ。恋人を愛するにも、恋人の裡にある自分を愛する。若いころには、自分の裡にある恋人を愛する。

バルザック 「谷間の百合」


私は恋人を愛する。そして、そのまなざしの甘い命令に服従することがある。しかし、それとて、やはり利己心からだ。

シュティルネル 「唯一者とその所有」


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