ラ・ロシュフーコー
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あまり利口でない人たちは、一般に自分の及びえない事柄についてはなんでもけなす。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
いちども恋の話を聞かなかったなら、恋なんかけっしてしなかったろうと思われる人間がたくさんいる。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
この世でいちばん幸福な人は、わずかなもので満足する人であるから、その点、えらい人や野心家たちは最も惨めな連中である。彼らを満足させるには、実に限りない財宝の山がなくてはならない。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
どんな人も自分の記憶が失われていることに不満をいだくが、判断の欠如について不満をいだくものはない。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
へつらいは、われわれに虚栄がなければ通用しない贋金である。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
やかましい養生のおかげで、やっと自分の健康を保っているのは、何かやりきれない病気を患っているようなものである。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
よい結婚はあるけれども、愉しい結婚はない。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれが敵の不幸を隣れむ心の中には、しばしばやさしさよりも高慢のほうが多分に含まれている。われわれが彼らに同情のしるしをみせるのは、彼らにわれわれの優越を感じさせたいからである。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれの徳行は、往々にして偽装した不徳にすぎない。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれの才能より下の職について大人物に見えることはあるが、われわれの力以上の職につくと、往々にして彼が小人物に見える。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれの高慢は、往々にしてわれわれがなにか一つ自分の欠点をなくすごとに、それだけふくれあがる。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれは、あまりにも他人の前に自分を偽装するのに慣れているので、しまいには自分の前にまで自分を偽装するようになる。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれは、われわれの大切な人の死に涙を流しているのだと言いながら、実際はわれわれ自身のために涙を流している。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
われわれはみんな、他人の不幸を平気で見ていられるほどに強い。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
メモはメモに終わって、メモ自身からは何も生まれっこないんだぜ。
梅崎春生 「砂時計」
一兵卒にとって武勇とは、彼がその生活の糧をうるために選んだ危険な職業のことである。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
不徳がわれわれのもとを立ち去ると、われわれは自分のほうから不徳を棄てたと信じて得意になっている。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
世間の人が友愛と呼称するものは、社交・欲望のかけ合い・かけ引き・親切の交換にすぎない。つまり、自愛がつねに何かとくをしようとする一種の取引にすぎない。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
人が不正を非難するのは、そのことを憎悪するからではなく、むしろ、自分がその害をこうむりたくないからである。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
人が大部分の物事を称讃したり、くさしたりするのは、それらを賛め、それらをそしるのが流行だからである。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
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