正義

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この世すべて濁るとき、清めるは己れだけ、人々みな酔えるとき、正気なのは己れひとりだけ、されば追放の身となった。

屈原 (司馬遷編「史記」より)


たとえ世界は滅ぶとも正義はとげよ。

フェルディナンド一世 「語録」


たとえ正義の動きは緩慢なりとも、邪悪者を打破するは必至なり。

ホメロス 「オデュッセイア」


もし美と正義の世界が現実に存在するものなら、それはまさしく童話の世界でなければならない。

小川未明 「理想の世界」


よりすぐれし者がより劣りし者よりも、また、より力のある者がより力のなき者よりも、余計に持つことが、すなわち正義なり。

カリクレス (プラトン「ゴルギアス」より)


カなき正義は無能であり、正義なき力は圧制である。力なき正義は反抗を受ける。なぜならは、つねに悪人は絶えないから正義なき力は弾劾される。それゆえ正義と力を結合せねばならない。

パスカル 「パンセ」


不正はなに人をも真に利せず、正義はなに人をも真に害せず。

ジョージ 「土地の問題」


人道主義は正義を目的とする。正義は真の意味での平等、自由を欲し、不正義に対する人類の意志の審判である。

長与善郎 「白樺-大正六年」


大きく正義を行おうとする者は、細かく不正を働かねばならない。大事において正義をなしとげようとする者は、小事において不正を犯さなければならない。

モンテーニュ 「随想録」


大なる不義を犯して、人の国を攻めば非とされず名誉とし、正義とす。それが不義なることを知らず。

「墨子」


天に順う者は存し、天に逆らう者は滅ぶ。

「孟子」


天知る、地知る、我知る、人知る。

楊震 (「後漢書」より)


悪者は逐う者なれど逃げ、義者は獅子のごとく勇まし。

ソロモン 「旧約聖書-蔵言二十八章一節」


最強者の理屈がいつも最もよいとされる。

ラ・フォンテーヌ 「寓話」


正義…忠誠・税金・個人的奉仕に対する酬いとして、度合いの差はあっても、一国の政府が市民に売りつける品質のおちたる商品。

ビアス 「悪魔の辞典」


正義とは、ほぼ同等の力の状態を前提とする報償との交換だ。

ニーチェ 「人間的な、あまりに人間的な」


正義とは、人間が国民としてそこに住む国家の法律を犯さざることなり。ゆえに、人間は証人のいるときは法律を尊重するも、証人なきときは、自然の法を尊重するならば、自己の最も役立つごとき仕方にて正義を用いん。

アンティポン 「断片」


正義とは、己れにふさわしきものを所有し、己れにふさわしきように行為することなり。

プラトン 「国家」


正義とは、強者の利益にほかならず。

トラシュマコス 「断片」


正義のいさおは平和、正義のむすぶ果はとこしえの平穏とやすきなり。

「旧約聖書-イザヤ書三十二章十七節」


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