悪
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いかなる悪もつぼみのうちは容易に押しつぶせるも、成長するにつれてよりいっそう強くなる。
キケロ 「哲学談義」
いかなる社会悪にも治療手段があるに違いない。しかし政治は、悪の棄却より大なる治療手段はない。
ジョージ 「社会の諸問題」
いちばん救われない悪徳は、みずからすべてを知っていると信じていることから、みずから人間を殺す権利を認めるような無知の悪徳をおいてほかにはない。
カミユ 「ペスト」
およそ不義敗徳の社会の裏面に行はるる間はなほ御家の幸ひなり。
内田魯庵 「破垣について」
もろもろの悪行は、禁じられているがゆえに有害なのではなく、有害なるがゆえに禁じられている。
フランクリン 「自叙伝」
われわれは外部から、他人から加えられし悪、つまりわれわれの排除しえない悪に動乱させられながら、つねに自己の力で排除しうるにもかかわらず、己れ自身の悪とは抗争せず。
アウレリウス 「自省日記」
不正を非難する人とは、己れが不正をなすことを怖れて非難するにあらずして、不正を被らんことを怖れて非難するなり。
プラトン 「共和国」
不決断こそ最大の害悪。
デカルト 「情念論」
世には悪のために悪をなす者はいない。みんな悪によって利益・快楽・名誉をえようと思って悪をなす。
フランシス・べーコン 「随筆集」
世間に存在する悪は、大半がつねに無知に由来するもので、明識がなければ、善い意志も悪意と同じほどの多くの被害を与えることもありうる。
カミユ 「ペスト」
世間は邪悪の香料を愛する。
ロングフェロー 「ハイベリオン」
人が不正を非難するのは、そのことを憎悪するからではなく、むしろ、自分がその害をこうむりたくないからである。
ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」
善人たちが流している害悪で、いちばん大きいものは、彼らが悪というものを法外なまでに重視してしまうことなのです。
ワイルド 「ウィンダミア夫人の扇」
往々にして一つの悪の恐怖はいっそうの悪に導く。
ボアロー 「詩の芸術」
悪い命令であることを承知しながら、それを甘んじて受ける人々は、悪い命令の甘受を勧めることになる。不正の存在を前に沈黙する人々は、まさしく不正の共犯者にほかならない。
ラスキン 「近代国家における自由」
悪から生ずる悪は波紋を画く。
アリストファネス 「鳥」
悪が物質から来るものとすれば、われわれには必要以上の物質がある。また、もし悪が精神から来るものとすれば、われわれには多過ぎるほどの精神がある。
ヴォルテール 「省察と格言」
悪に苦しまずしては悪をなしえない。
エマーソン 「随筆集」
悪は勝利をしばしば博するが、けっして征服することはない。
ロウ 「教区の司教の瞑想」
悪をなす者はみずからにも悪をなす。
アウレリウス 「自省日記」
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