思想
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いちばん簡単で、いちばん明白な思想こそが、いちばん理解しがたい思想である。
ドストエフスキー 「未成年」
ことばを高尚にするのは思想である。
ケラー 「日記」
すべての頑固派の思想というものは、社会的実践から離れており、彼らは社会という車の前に立ち、その道案内の仕事を務めることができない。
毛沢東 「実践論」
ひとつの思想に導かれて進みつつある時代は、砂漢のなかを進軍する軍隊に似ている。落伍者たちこそ不幸なれ! 後方にとどまることは、すなわち死である。
ヴィニィ 「詩人の日記-1829」
ひとりの思想家が進歩するのは、たとえ、それが明々白々であるように思えても、自分の結論を遅らせることによってなのだ。
カミユ 「手帖-1935~42」
もろもろの偉大な思想は心から来る。
ヴォーヴナルグ 「省察と格言」
よい思想はけっして人間独自の仕事ではない。それは人間をとおして流れ出るだけのものである。
ヒルティ 「眠られぬ夜のために」
人はどこへいっても、弱い思想に強いことばの外套を着せることか好きだ。
ハイゼ 「蔵言の書」
人は思想をとらえようが、思想はつねに人間よりも現実的である。
ドストエフスキー 「罪と罰」
人生と対決させると、死体のように倒れてしまう思想が少なくない。
モルゲンシュテルン 「段階」
人生の真味は思想に上らず、思想を超脱せる者は幸ひなり。
二葉亭四迷 「平凡」
人間は思想をかくすためではなく、思想を持っていたいことをかくすために、語ることを覚えたもののように思われる。
キェルケゴール 「あれか、これか」
人間を法則に服従させるという思想は、人間を隷属させることであり、神の法則に従うという思想は、人間を開放する思想である。
トルストイ 「読書の輪-1・28」
俺の頭には少なくとも一日に1~1.5立方の新思想が必要である。
ドストエフスキー 「罪と罰」
内容のない思想は空っぽで、概念のない直観は盲目である。
カント 「純粋理性批判」
実生活を離れて思想はない。しかし、実生活に犠牲を要求しないような思想は、動物の頭に宿っているだけである。
小林秀雄 「文学者の思想と実生活」
思想が現実に迫るのみでは十分でない。現実がみずから思想に迫るのでなければならない。
マルクス 「へーゲル法律哲学-序説」
思想と風俗とは一聯のつながりのあるものだ。思想は風俗となつて現はれるものだし、風俗は思想を象徴する。
戸坂潤 「検閲下の思想と風俗」
思想の卑きは食物のごとく、食と性のほか弁えず、なんら高きを悟らず。
ミルトン 「楽園喪失-九」
思想の危機に際して問題になるのは思想の性格である。…思想の性格の概念は思想の価値の概念から区別されるであらう。
三木清 「哲学ノート」
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