憎しみ
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「女は誰をいちばん憎むか」鉄が磁石に問うた。「私はお前をいちばん憎む。なぜなら、お前は牽くことをなし、しかも、お前のもとへ牽きよせる十分の力をもたないからである。」
ニーチェ 「ツァラトゥストラ」
ありとあらゆる形の死は、不幸なる人にとりて憎悪に満つれど、最悪の憎しみは飢えによる死なり。
ホメロス 「オデュッセイア」
みずから愉しむことのできない人々は、しばしば他人を恨む。
イソップ 「寓話」
われわれが、人生で当面する憎しみの大半は、単に嫉妬か、あるいは辱かしめられた愛にほかならない。
ヒルティ 「眠られぬ夜のために」
われわれがある人間を僧む場合、われわれはただ彼の姿を借りて、われわれの内部にあるなに者かを憎んでいるのである。
ヘッセ 「デーミアン」
世の中に、なほいと心憂きものは、人ににくまれんことこそあるべけれ。
清少納言 「枕草子」
人が愛したことのない…けっして愛しそうもない人々に対しては真の憎しみはありえない。憎まれるに値しないような人に対しては極端な愛はけっして生まれない。
ヴァレリー 「ありのまま」
人類の胸中をじゅうりんした最悪の憎悪の墓であり、典型である残酷無比の天才…狂乱患者の伍長ヒトラー!
ウィンストン・チャーチル 「第二次世界大戦」
共通の憎しみほど人間を団結させるものはない。
チェーホフ 「断片」
怨恨は愛情に劣らず浮気である。
ヴォーヴナルグ 「省察と格言」
愉しみが終わるや、たちまち侮蔑の念を生じ、理も非もなく追い求むれど、思いをとぐれば、たちまち理も非もなく憎むにいたる。
シェイクスピア 「ソネット-肉欲」
愛と憎しみとは、相反馳する心的作用の両極を意味するものではない。憎しみとは人間の愛の変じた一つの形式である。愛の反対は憎しみではない。愛の反対は愛しないことだ。
有島武郎 「惜しみなく愛は奪ふ」
愛の僧しみほど激しきものなし。
プロペルティウス 「断片」
愛はつまり憎しみであり、憎しみは愛である。対立する者への憎しみは、一致する者への愛であり、後者への愛は、前者への憎しみである。
ブルーノ 「原因と原理および一者について」
愛多ければ憎しみいたる。
「亢倉子」
憎しみは、それをいだいた人間のうえにはねかえってくる。
ベートーベン 「語録」
憎しみは、人を盲目にする。
ワイルド 「獄中記」
憎しみは積極的な不満で、嫉妬は消極的な不満である。したがって、嫉妬がすぐに憎しみに変わっても怪しむに足りない。
ゲーテ 「格言と反省」
憎しみは自分に仕えるすべての者にとっては、たしかに寛大な主人なのである。
ワイルド 「獄中記」
憎悪は抑えられた連続した怒りである。
デュクロ 「風習についての考察」
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