生死
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「しかし、ただ死し、往け」と、ああ、すべてが往き、往かねばならぬところ、わが世に生まれ、悩み生きた前のわが在りし虚無に帰りいくこと。
バイロン 「安楽な死」
「善人なほもちて往生をとぐ、いはんや悪人をや」しかるを世のひとつねにいはく、「悪人なほ往生す、いかにいはんや善人をや」と。
親鸞 「歎異抄」
「身を殺して魂を殺す能はざる者を恐るるなかれ」肉体の死は何でもない。恐るべきは霊魂の死である。
徳冨蘆花
およそ人の天に生きんとて地に死ぬるを悲しむ者は、永劫の雨のさわやかなるをいまだかしこに見ざる者なり。
ダンテ 「神曲-天堂編一四曲」
この世はあなたの安息の場ではないのに、なにをそこで訪ね回っているのか。天上こそにあなたの住居があるはずである。それゆえ、地上のすべてのものはすぎゆくものと眺めるべきである。
ケムピス 「キリストのまねび」
つひに行く道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを
「伊勢物語」
できうれば莞爾として死ななければならない。
ジューベル 「パンセ」
どこに死がわれわれを待っているかわからないのだから、いたるところで待とうではないか。死を予測するのは、自由を予測することである。死を学んだ者は屈従を忘れ、死の悟りは、あらゆる隷従と拘束からわれわれを解放する。
モンテーニュ 「随想録」
もし我々に死がなかつたら生の倦怠をどうしようか。死こそは実に我々に恵まれた甘露である。とはいへ、私もまた生の執着をもつてゐる。ただ執着である。愛ではない。
中勘助 「しづかな流」
もろもろの血肉ことごとく滅び、人もまた塵にかえるべし。
「旧約聖書-ヨブ記三十四章一五節」
わが生命は、齢もてかぞうべきにあらず、鋤のごとく、しわをのこすときのみ重ねたれば、わが頭に刻まれし畝問にも似て、深くわが魂に彫りつけられぬ跡もなし。
バイロン 「ブレシントン伯夫人に」
わが魂よ、汝は長期間とらわれの身にあり、いまや汝の牢獄から去り、この肉体の障害から免れる時機に来たり。喜びと勇気を持ちてこの離別を忍べ。
デカルト (辞世)
われらは死のよきものなりや否やを知らず、されど、生きいくは、すくなくとも、よからざるべし。
スウィンバーン 「断片」
われわれが死によって失うものは時間のわずかな一部、現在の一瞬のみ。
アウレリウス 「自省日記」
われわれの現在の生は死であり、肉体はわれわれにとりて墓場なり。
プラトン 「ゴルギアス」
われわれの生は、われわれが生の問題を理解し始めた瞬間に閉ざさる。
テオフラストウス 「断片」
われわれは生の真只中にあって、死に取り囲まれている。
ルター
われ未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らんや。
孔子 「論語」
カーテンをおろせ、道化芝居は終わった。
ラブレー (臨終のことば)
三界の狂人はくるへることを知らず、四生の盲者はめしひなることをさとらず。生まれ生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く、死に死に死に死んで死ぬをはりに冥し。
弘法大師 「秘蔵法鑰」
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