自己愛

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「人類に対する愛」ということばは、自分が心の中でつくりあげた人類に対する、つまり己れに対する愛である。

ドストエフスキー 「未成年」


すべての人間は、自分以外の人間はすべて死ぬと考える。

エドワード・ヤング 「夜の瞑想」


すべての人間は己れ自身を愛す。

プラウトウス 「断片」


つねに人間は己れに対しては、あることを考え、他人に対しては他のことを考える。人間は他人を判断するのとは異なったごとく己れを判断す。

シルス 「断片」


われわれが他人を認めるのは、彼らとわれわれとの間に類似のあることを感ずるからである。誰かを尊敬するというのは、彼を自分と同等にみることであるらしい。

ラ・ブリュイエール 「人さまざま-判断について」


われわれの最初にして最後の愛は自愛である。

ボヴィー 「断片」


三つの大きな性的異常のうち第一のもの「自愛」は個人に最も害を及ぼす。第二のもの「同性愛」は人類種族に最も害を及ぼす。第三のもの「近親同士の愛」は社会に最も害を及ぼす。

ローラン 「回想録」


世間の人が友愛と呼称するものは、社交・欲望のかけ合い・かけ引き・親切の交換にすぎない。つまり、自愛がつねに何かとくをしようとする一種の取引にすぎない。

ラ・ロシュフーコー 「道徳的反省」


人々は愛によって生きている。だが、自己に対する愛は死の初めであり、神と万人に対する愛は生の初めである。

トルストイ 「読書の輪」


人みな我が飢を知りて人の飢を知らず。

沢庵 「玲瓏日記」


人生古より誰か死無からん。円心を留取して汗青を照らさん。

文天祥 「過零丁洋」


人間というものは、つねに利己的で神の助け以外には救いようがない。

コント 「断片」


人間は誰でも自分自身を最も愛する。

レッシング 「賢者ナータン」


利己主義の混和は、いちばん美しい社会的結合を変質させ、不自然にする。

ユーゴー 「死刑囚最後の日-序」


利己主義は唯一の真の無神論であり、大望と利他主義は唯一の真の宗教である。

ザングウィル 「ユダヤ人町の子供たち」


利己心の発揮は見えざる手を通じて社会の利益を増大させる。

アダム・スミス 「国富論」


友情は永続的なものの感情を与え、恋愛は永遠的なものの感情を与える。しかも、両者ともあとに残るものはエゴイズムだけである。

レニエ 「半面の真理」


君が自我を放棄すればするほど、それだけ君の愛は偉大になり、真実になる。

フォイエルバッハ 「死と不死について」


女の愛なるものは、見ること、触るることによりてしばしば燃やされずば、いくばくも保つあたわざるを。

ダンテ 「神曲-浄火編八曲」


己れ自身を熱愛する人間は実は公共の敵である。

フランシス・べーコン 「随筆集」


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