恋愛

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恋愛には独特きわまる性質がある。ひとはある恋をかくすこともできなければ、ない恋をよそおうこともできない。

サブレ夫人 「格言」


恋愛のために出世をすべて犠牲にするのは、痛ましくも英雄的である場合もあるが、愚行であろう。だが、出世のために恋愛をすべて犠牲にすることも同じく愚行で、けっして英雄的ではない。

バートランド・ラッセル 「結婚と道徳」


恋愛は、人生の花であります。いかに退屈であろうとも、この外に花はない。

坂口安吾 「恋愛論」


恋愛は、生物が性を通して天的なものに達せんとする生命の営みである。

倉田百三 「愛と認識との出発」


恋愛はただ性欲の詩的表現を受けたものである。少なくとも詩的表現を受けない性欲は恋愛と呼ぶに値しない。

芥川龍之介 「侏儒の言葉」


恋愛はみずから鋳造した貨幣で支払われる唯一の情熱である。

スタンダール 「恋愛論」


恋愛は人を強くすると同時に弱くする。友情は強くするばかりである。

ボナール 「友情論」


恋愛は人世の秘鑰なり、恋愛ありて後人世あり、恋愛を抽き去りたらんには人世何の色味かあらん。

北村透谷 「厭世詩家と女性」


恋愛は人情の永久的な音楽にして、青年には光輝を、老人には後光を与える。

スマイルズ 「品性論」


恋愛は大臣の椅子のように、簡単には手に入れることのできない一つの幸せな将来なのである。

スタンダール 「恋愛論」


恋愛は幸福を殺し、幸福は恋愛を殺す。

ウナムノ 「随筆と独語」


恋愛は怠け者のビジネスであり、忙しい者の怠け仕事である。

ブルバー・リットン 「リエンジ」


恋愛は性欲と質を異にするものではなく、より高き形における性欲である。

倉田百三 「出家とその弟子」


恋愛は激しいほど休憩を欲しているということだ。恋愛にも日曜日がなければならない。それが辛うじて永続させる方法であり、つまり「忘却」の逆用である。

亀井勝一郎 「現代青春論」


恋愛は結婚よりももっと興味深い。ちょうど、歴史より小説のほうが面白いのと同じように。

シャンフォール 「箴言と思想」


恋愛は至上なり。

厨川白村 「近代恋愛観」


恋愛は芸術である。血と肉とを以って作られる最高の芸術である。

谷崎潤一郎 「捨てられる迄」


恋愛は若い者の幸福なる特権であり、老人の恥辱なり。

シルス 「蔵言」


恋敵に関しては、中庸を得るということはない。

スタンダール 「恋愛論」


愛されることは、燃えつづけることでしかない。愛することは、暗い夜にともされたランプの美しい光だ。愛されることは消えることだが、愛することは永い持続だ。

リルケ 「マルテの手記」


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