三木清

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ジャーナリストは公平な批評家であるよりも、むしろ党派的意見の代表者である。

三木清 「哲学ノート」


人は自分の想像力で作り出したものに対して嫉妬する。…しかし嫉妬において想像力が働くのはその中に混入してゐるなんらかの愛に依つてである。

三木清 「人生論ノート」


人は軽蔑されたと感じたときによく怒る。だから自信のある者はあまり怒らない。

三木清 「人生論ノート」


人間が宗教をつくるのであって、宗教が人間をつくるのではない。

三木清 「断片」


勤勉であることは人間を知らず識らず屈従的ならしめる。

三木清 「時代と道徳」


取締政治は人間性の明るい方面を見ないで暗い方面のみを見てゆく。それは民衆に対する封建的な考へ方であるが、官僚政治はとかくそのやうな傾向を有するのである。

三木清 「時代と道徳」


同じ職業の者が真の友人になることは、違った職業の者の間においてよりも遥かに困難である。

三木清 「人生論ノート」


幸福は常に外に現はれる。単に内面的なことであるといふやうな幸福は真の幸福ではない。

三木清 「人生論ノート」


幸福を語ることがすでに何か不道徳なことであるかのやうに感じられるほど今の世の中は不幸に充ちてゐるのではあるまいか。

三木清 「人生論ノート」


怒りにはどこか貴族的なところがある、善い意味においても、悪い意味においても。

三木清 「人生論ノート」


思想の危機に際して問題になるのは思想の性格である。…思想の性格の概念は思想の価値の概念から区別されるであらう。

三木清 「哲学ノート」


批評は批評を呼んで循環する。

三木清 「弾力ある知性」


批評家は公衆の書記にほかならない。

三木清 「哲学ノート」


政治の過剰は政治的思考の充実を示すものでなく、反対に政治の科学性の没却、政治哲学の貧困を語るものである。

三木清 「時代と道徳」


死の恐怖は浪漫的であり、死の平和は古典的である。死の平和が感じられるに至つて初めて生のリアリズムに達するともいはれるであらう。

三木清 「人生論ノート」


独断家は甚だしばしば敗北主義者、知性の敗北主義者である。彼は外見に現はれるほど決して強くはない。

三木清 「人生論ノート」


白叙伝は他人に読まれることを予想して書かれ、そして他人の前で自己を正直に告白することは困難であるのによるともいはれよう。

三木清 「時代と道徳」


芸術は人間のうちにおいて生まれ、その人の作品のうちにはその人の人間性がおのづから表現される。

三木清 「哲学ノート」


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