ヘッセ

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あまり若いうちから党派に所属していると、仲問に囲まれているという心地よさとひきかえに、自己の判断を売る、という危険を犯すことになる。

ヘッセ 「書簡」


われわれがある人間を僧む場合、われわれはただ彼の姿を借りて、われわれの内部にあるなに者かを憎んでいるのである。

ヘッセ 「デーミアン」


人生は一頭の馬である。軽快なたくましい馬である。人間はそれを騎手のように大胆に、しかも細心に取り扱わなければならない。

ヘッセ 「大理石材工場」


信仰と懐疑とは互いに相応ずる。それは互いに補い合う。懐疑のないところに真の信仰はない。

ヘッセ 「クリストフ・シュレンプフの追悼」


僕は彼岸を信じない。彼岸なんてものは存在しない。枯れた木は永久に死に、凍死した鳥は二度とよみがえらない。

ヘッセ 「ナルチスとゴルトムント」


天才は万人から人類の花と認められながら、いたるところに苦難と混乱を惹起する。天才はつねに孤立して生まれ、孤独の運命を持つ。天才が遺伝することはありえない。

ヘッセ 「ゲーテとベッティーナ」


孤独の宗教、それはまだ本物ではない。宗教は共通のものにならねばならない。宗教は礼拝と陶酔、祝祭と秘法を持たねばならない。

ヘッセ 「デーミアン」


学問とは、相違を発見することに没頭することにほかならない。…学問とは識別の術である。

ヘッセ 「ナルチスとゴルトムント」


平和は天国の原始状態でもなく、合意によって秩序づけられた共同生活の一形態でもない。平和はわれわれが熟知していないもので、ただ探求し、予感しているだけのものだ。

ヘッセ 「戦争と平和」


幸福を追い求めている限り、君はいつまで経っても幸福にはなれない、たとえ最愛のものを手に入れたとしても。

ヘッセ 「荒野の狼」


恋とは、私たちを幸せにするためにあるのではありません。恋は、私たちが苦悩と忍従の中で、どれほど強くありうるか、ということを自分に示すためにあるものです。

ヘッセ 「郷愁」


救いの道は右にも左にも通じていない。それは自分自身の心に通じる道である。そこにのみ神があり、そこにのみ平和がある。

ヘッセ 「放浪」


木は神聖なものである。木と話し、木に耳を傾けることを知るものは真理を知る。木は教養も処分も説かない。木は個々のことにとらわれず、生の根本法則を説く。

ヘッセ 「放浪」


求むるところなき愛、これがわれわれの魂に最も高い、いちばん望ましい境地である。

ヘッセ 「観想-魂について」


私がとても愛している徳がたったひとつある。その名は「わがまま」という。

ヘッセ 「観想-わがまま」


精神は、真理に対して従順である場合にのみ有益かつ高貴である。

ヘッセ 「ガラス玉遊戯」


自己の運命を担う勇気を持つ者のみが英雄である。

ヘッセ 「観想-わがまま」


芸術はいちばん感覚的なもので始まり、いちばん抽象的なものに通ずることができた。あるいは純粋な観念の世界に始まり、いちばん血の気の多い肉に終わることができた。

ヘッセ 「ナルチスとゴルトムント」


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