パスカル

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いかなる身分でも、気晴しができる限り幸福である。…それは自己自身を考えることから心をそらしてくれるところの幸福である。

パスカル 「パンセ」


いちばん小さい物を軽蔑し、いちぼん大きい事物を信じない人間から何がえられようか。

パスカル 「パンセ」


おなたは君公であられるから、あなたの価値を私が高く評価することは必要ではございません。必要なことは、私があなたに敬礼することです。

パスカル 「小品集-貴族の自分について」


お前は主人から可愛がられ、おだてられたからといって、それだけ奴隷でなくなると思うのか? 奴隷よ、お前は実におめでたい。お前の主人はお前をおだてているが、いまにお前を打つであろう。

パスカル 「パンセ」


ひとつの事柄についてすべてを知るよりも、すべての事柄についてなんらかのことを知るほうが、ずっとよい。

パスカル 「パンセ」


われわれはつねに現在にいたためしがない。来るのがとても待ちどおしくて、その歩みを早めさせようとするかのように未来を待ちこがれているか、あるいは、あまりすみやかに過ぎ去るので、その歩みを引きとめておこうとするかのように、過去を呼び返している。

パスカル 「パンセ」


われわれは現在についてほとんど考えない。たまに考えることがあっても、それはただ未来を処理するために、そこから光をえようとするにすぎない。現在はけっしてわれわれの目的ではない。過去と現在はわれわれの手段であり、未来のみが目的である。

パスカル 「パンセ」


われわれは理性によってのみではなく、心によって真実を知る。

パスカル 「パンセ」


カなき正義は無能であり、正義なき力は圧制である。力なき正義は反抗を受ける。なぜならは、つねに悪人は絶えないから正義なき力は弾劾される。それゆえ正義と力を結合せねばならない。

パスカル 「パンセ」


キリスト教の信仰は二つの真理、すなわち人間の自然性の堕落と、イエス・キリストの贖いとを両立させるところにある。

パスカル 「パンセ」


クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら、大地の全表面は変わっていたであろう。

パスカル 「パンセ」


世論はいわば世界の女王であるが、力は世界の暴君である。

パスカル 「パンセ」


人々は互いにへつらうことばかりをやっている。…人間同士の結びつきは、かかる相互の欺瞞のうえに築かれる。

パスカル 「パンセ」


人々は宗教を軽蔑している。彼らは宗教を嫌悪し、宗教が真実であるのを怖れている。これを矯正するには、まず宗教が理性に反するものでないことを示してやらねばならない。

パスカル 「パンセ」


人の性質は、いつまでも前のほうにのみ進めない。ひき汐あり、さし汐がある。

パスカル 「パンセ」


人は多くの場合、他人と異なるのみならず、また、いろいろなときにおける自分自身と異なることが多い。

パスカル 「小品集-幾何学の精神について」


人は恋愛を語ることによって恋愛するようになる。

パスカル 「愛の情念に関する論」


人間には二種類しかない。一つは、自己を罪人だと思っている義人であり、他の一つは、自己を義人だと思っている罪人である。

パスカル 「パンセ」


人間は、神と悪魔との間に浮遊する。

パスカル 「パンセ」


人間は一つの極端にあるからといって、その偉大さを示しはしない。むしろ同時に二つの極端に達し、その中間をすべて満たすことによって、それを示すものである。

パスカル 「パンセ」


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