ハイネ
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ごまかされて幸福なのは、真の幸福でないことを忘れてはならない。高い精神的誇りのうちに、たとえ瞬間にもせよ、みずから感ずる幸福は、漠然たる盲信のうちに長年月を酔生夢死する幸福よりも、ずっと大なることを忘れてはならない。
ハイネ 「ノルデルナイ」
われわれが友人に求めるのは、われわれの行動に対する賛意ではなくして理解である。
ハイネ 「モーザ宛書簡」
人間…動物の間の貴族。
ハイネ 「機知・英知・情念-イタリア」
人間が偉大になればなるほど、罵倒の矢に当たりやすくなる。小人には罵倒の矢さえなかなか当たらない。
ハイネ 「浪漫派」
人間を照らす唯一のランプは理性であり、生の闇路を導く唯一本の杖は良心である。
ハイネ 「ドイツの宗教と哲学」
偉大なる精神は、偉大なる精神によって形成される。ただし、それは同化によるよりも、むしろ多くの軋轢による。ダイヤモンドがダィヤモソドを研磨するのだ。
ハイネ 「ドイツの宗教と哲学」
女が終わるところに劣悪な男が始まる。
ハイネ 「思想と警句」
幸福は浮気な娼婦である。同じところにジッとしてはいない。
ハイネ 「ロマンツェロ」
思想は行動になろうとし、ことばは肉体になろうとする。
ハイネ 「ドイツの宗教と哲学の歴史」
恋に狂うとは、ことばが重複している。恋とはすでに狂気なのだ。
ハイネ 「シェイクスピアの女たち」
恋はなにものも怖れない。いざとなれば、死神という天下無敵の強者のとこへ走っていき、それを味方にする用意がある。死神を味方にした恋くらい強いものはない。
ハイネ 「シェイクスピアの女たち」
悪魔であるのか、天使であるのか、それは知らない。女にあってはどこで天使が始まり、どこで悪魔が始まるのかもわからない。
ハイネ 「アタートロル」
悪魔は理論家である。悪魔は現世のよさや官能の悦びや肉などの代表であるにとどまらず、彼はまた人間理性の代表者でもある。
ハイネ 「精霊考」
愛とは何か、とお前はたずねる。たちこめる霧に包まれたひとつの星だ。
ハイネ 「新詩集」
暗黒時代には、宗教ほど諸国民を導くのに最適なものはなかった。というのも、暗黒の中では眼の見えない人がいちばんよい案内役で、目あきよりもずっと確かだからである。しかし、昼になって明るくなっても眼の見えない人に案内させているとすれば、それは阿呆である。
ハイネ 「落想集」
率直なご意見を伺いたいとか、きびしくご批評下さいと言いながら、内心ではただ称讃のことばだけを待っている。…率直に批評した者が、それによって憎まれなくとも、より多く愛されることは、まずありますまい。
ハイネ 「シュタイン宛書簡」
生命はあらゆる財宝の最高とす。そして最高の悪は死とす。
ハイネ 「こころ」
真の天才は、予め一定の軌道にのせて描くことはできない。その軌道は、すべての批判的評価のそとにある。
ハイネ 「北海」
私は行為を称讃しない。私が称讃するのは人間の精神である。行為は精神の外衣にすぎない。歴史は人間精神の古い脱衣場にすぎない。ただし、古着に対する愛着はある。
ハイネ 「機知・英知・情熱-イタリア」
結婚、いかなる羅針盤もかつて航路を発見したことのない荒波。
ハイネ
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